医療保険の選び方

本人に病気を知らせていなくても医療保険の請求はできますか?

「がん」など病気の種類によっては、本人に病気を知らせていない場合があります。
本人が病気を知らない状態でも医療保険の請求はできるのでしょうか?

まずは保険会社に相談

医療保険の請求手続き等で困った時、まずは各保険会社の保険金・給付金お問合せ窓口に連絡の上、相談されることをおススメします。
今回の事例のように「本人に病気を知らせていないから」といって請求が拒否されるようなことはありません。
保険会社と一緒に、患者さんにとってもベストな方法で請求手続きができるかを考えてみて下さい。

保険会社として問題にされるのは患者さん、受取人と請求される方との関係性です。その関係性を証明するような書類は必ず必要となります。
親族の方が既にお亡くなりになっていたり、頼れる親族が近くにいない。というような場合には、友人等が手続きをされることになるかもしれませんが、そういった場合はまずは親族が優先されることになりますので、請求手続きとしては非常に難しくなる可能性があります。

契約を周囲に知らせておく

本人に病気のことを伏せておきたい、というケースの他に考えられるのが高度障害状態や認知症等で患者本人の意識が無かったり、正しい状況判断ができない、日常会話ができない、字が書けないという状態になった場合です。

その際には、周りの家族の助けで医療保険等の加入保険の手続きをスムーズに行うことができますが、もし周りの家族が保険に加入していることを知らなければ、どうなるのでしょうか?

誰も保険の加入を知らなかったら?

民間の医療保険やがん保険は契約者や受取人が保険会社に連絡をすることで、初めて保険請求の手続きが始まります。
先ほどご紹介したケースのように、本人は請求できる状態ではなく、周りの家族も保険加入の事実を知らない。
その場合は、保険の請求を誰でもしていない状況ですので、当然ながら保険会社も請求事由が発生していることを知りません。

私が対応してきた事例では、多くの場合は患者さんが亡くなられた後に遺族の方から連絡があり
「毎月、保険会社から引落しされている保険料があるみたいだけど、内容は分かりますか?」

というような問い合わせをもらい、その時になって初めて手続きを開始する。というかたもいらっしゃいました。

指定代理請求を利用する

本人に病気を知らせていない、本人が給付金等の請求ができない状態である場合などは、指定代理請求を利用して医療保険の請求をすることが可能です。
以下のような場合、加入されている医療保険やがん保険であらかじめ指定されている「指定代理請求人」による請求が可能です。

  1. 被保険者が、病気やケガ等によって意思表示が困難な場合
  2. 被保険者が、がん等の病名を告げられていないために給付金等の請求ができない場合

「指定代理請求」の利用にはあらかじめ指定代理請求人が指定されておくことが必要です。
「指定代理請求人」という制度が存在していなかった時から加入されている医療保険やがん保険の場合は指定代理請求人が指定されていません。契約後、数年経過していたとしても契約後に指定代理請求を加入している保険に無料で付加することができますので心配な方は保険会社にお問い合わせください。

しかし実際の運用の場面では、指定がない場合でも、代理請求ができる場合があります。

第2連絡先を登録する

今回の質問とは直接関係がある制度ではありませんが、近年保険会社では契約者とその家族に安心と迅速なサービスを提供することを目的に「第2連絡先」という制度を設定するようになりました。

第2連絡先を登録すると以下のような場合に利用されます。

■大規模自然災害等が起きた緊急時
緊急時(大規模自然災害等)の安否確認のため、保険会社が契約者と連絡が取れない場合

■通知物が契約者に届かない場合
契約内容・支払手続き等、各種通知物が契約者に届かず、連絡が取れない場合

「第2連絡先制度」のメリット

「第2連絡先」を登録することで契約者と家族に安心と迅速なサービスが提供されます。
上記のように契約内容・支払手続き等、各種通知物で契約者と保険会社が連絡が取れない場合、給付金等の支払い等の手続きに時間がかかることもあります。

「第2連絡先」に登録できる人は決まっています。
日本在住の親族(配偶者もしくは三親等以内)
また「第2連絡先」は運用の目的から契約者と同居されていない方の登録が推奨されています。
また、同居の方を登録する場合は電話番号については連絡のとりやすい携帯電話等の指定がおススメです。

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