医療保険に入っていれば「病気になっても安心」そんな思いはありませんか?
医療保険と言っても万能ではありません。
なにが保障の対象かを知っておくことが重要です。
医療保険に通院保障は付いているのか?
医療保険には「通院」保障が付加されているタイプと「通院保障が無い」タイプがあります。
どちらの保険が良い、悪いではなく、そのような商品種類があるということです。
例えば、
「通院保障無し」の医療保険に加入している人が、契約後に通院を頻繁にする病気になってしまい、医療保険の加入内容をよく見てみると「通院保障が無い」ことが分かって
「わたしは今まで、役に立たない保険に入っていたのか!」
と落胆や怒りが出てくるかもしれません。
例えば、
「通院保障あり」の医療保険に加入している方が、契約後に病気になり、入院や手術をすることがあってもほとんど通院をすることが無かった。という方は
「わたしは今まで、使うことの無い保障に無駄に保険料を払っていたのか!」
ということになるかもしれません。

医療保険に何を求めるのか?
どちらの言い分も、もっともだと思うのですが、結局は「医療保険に何を求めて加入していたのか?」とういことが大切になります。
医療保険に入る前「何が不安で、どのような安心を得たかったのか?」ということです。
上記の事例でもわかるように「医療保険は万能でありません」
医療保険にはできることとできないことがあり、さらに現在発売されている医療保険の根本的な役割、機能は「公的な健康保険の補完商品である」ということです。
医療保険の通院保障は「入院」が前提
公的な保険である「健康保険」であれば、通院でも保障されます。
例えば、風邪や歯の治療等の数回の通院であっても窓口で医療費は全額自己負担ではなく、一般的な会社員の方であれば「3割負担」ということになっています。
民間の保険会社が運営、販売している医療保険の「通院」保障は通院だけでは保障されません。
医療保険が通院のみでは保障されないことは、医療保険の加入時、契約時に保障内容の説明の一部として必ず説明を受けていることでしょう。
しかし、契約から数年が経過し、保険のことを気にしない生活を送っていると説明を受けたことも忘れてしまうかもしれません。

現在発売されている医療保険の通院保障は「入院」が前提にあります。
医療保険によって条件は異なりますが、「入院を●日以上すれば」入院後の通院、または入院前後の通院が保障されます。
ですので、
歯の治療に通院、風邪で通院というように、通院のみをするという場合は医療保険では保障の対象外となります。
医療保険の「通院特約」の給付は“入院”が前提になっていることを知っておきましょう。
通院の保障日数には制限がある
入院をすることによって、医療保険の対象となる通院があったとしても、通院は無制限で保障されるわけではありません。
制限日数も医療保険によって異なりますが「30日まで保障」というように、保障される日数が決まっています。
例えば、1年間は週に2回のペースで通院を続けないといけない。というケースでは30日の上限日数を超えると保障はされなくなってしまいます。
保険対象となる病気の治療だとしても、通院だけでは給付されず、しかも通院日数の範囲も限定されているということです。
しかし、最近ではがんの化学療法(抗がん剤治療)やがんの放射線治療であれば入院をせずに通院のみで治療をしていくケースがあります。
このようなケースは原則、医療保険の通院特約では給付対象外ということになります。
がんの通院治療は「がん保険」で備える
そこで考えたいのが医療保険の通院保障ではなくて「がん保険」という存在です。
通院のみの治療では保障されない医療保険の通院保障ですが、がん保険であれば通院のみの治療であっても保障される場合があります。
というのも、がん治療の最近の傾向性として入院・手術よりも外来診療による通院のみの治療も増加傾向にあるからです。
例えば、前立腺がんの治療であれば以前は手術をするのが一般的でした。
しかし最近の傾向としては放射線治療や化学療法等、前立腺がんの治療は手術だけではない選択肢が増えています。
前立腺がんの放射線治療という場合であれば、私が知っている方の多くは入院はせずに放射線治療のために定期的に通院をするという治療方法になります。
そのようにがんの放射線治療、化学療法(抗がん剤治療)、手術といった治療による通院に関しては、入院を伴わない通院のみの治療であっても無制限で通院が保障される。
そんながん保険がでてきています。
医療保険の通院保障の限界を知る
医療保険の通院保障というのは万能でありません。
ある程度の保障の制限があり、その制限の中で得られる保障がご自身にとって有用な保障かどうかを考えることが重要となります。