医療保険の選び方

入院日数が短くなっている2つの理由

医療保険のよくある質問

最近、友人が病気になって入院をしましたが思っていたより早い期間で退院してきました。
友人は入院をしても「すぐに病院から出されてしまう」ということを言っていましたが、病気の治療が必要であって入院をしても、長期間にわたって入院をする人は少なくなってきているのでしょうか?

相談者さん
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医療保険は必要がないということですか?
保険見直し.net
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これからの時代に必要な医療保険の考え方をお伝えしましょう

最近では、入院されても「すぐに病院から出されてしまう」ということをよく聞きます。
病気の治療のために入院をしても、長期間にわたって入院をする人が少なくなってきているようです。
それは、厚生労働省が発表している統計データからも、入院日数は短期化する傾向にあることが分かります。
では、どうして入院日数は年々短くなっているのでしょうか?

病院の事情と医療技術の発達

医療保険のパンフレットを読んだり、保険販売の担当者の説明を聞いていると入院日数は短くなっているということをよく聞かれると思います。

2012年~2014年に放映されたドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子』をご存知でしょうか?
主人公は米倉涼子さん演じる凄腕外科医。このドラマの台詞をご紹介します。

<伊東四朗さんが演じる毒島院長の台詞より>
「一般病棟の入院日数が伸びて回転率が下がっていますね。赤字は右肩上がり」
「腹腔鏡オペは入院日数が少ないから回転率が上がってよろしいですね」

これらの台詞から、入院日数が短くなっている2つの要因がみえてきます。

医療技術の発達

医療技術は年々発達しています。
医療技術の発達により患者さんにとって身体に負担が少ない医療が普及してきています。
例えば手術後の身体的負担が少ない技術が導入されることで、手術が終わった後の身体機能の回復が早くなり入院する日数が短くて済むようになってきています。
手術をされた方がよく言われるのは手術後に「すぐに歩かされた」というようなことです。
患者の負担が少ない手術と共に、リハビリを早く始めることによって患者の早期自立を推進しています。
これにより、入院日数、在院日数は短くなります。

病院はベッドの回転率を上げたい

病院にとっては一人の患者に長期間滞在してもらうよりも、短い滞在の患者さんをたくさん集めてベッドの回転率を上げた方が利益を取りやすいというのが現在の診療報酬制度の特長です。

病院は慈善事業ではありません。黒字にして利益を上げなければ経営が成り立たなくなってしまいます。病院のベッドの回転率を上げることで医療費の報酬(収入)を上げる努力をしています。
当然ながらそのような病院の患者の入院日数(在院日数)は短くなります。
また、大学病院等で患者が手術の順番待ちをしているような病院では次の患者さんのためにベッドを空ける必要があります。そのため手術が終わった患者にはなるべく早くベッドを空けてもらい、順番を待っている次の患者さんの受け入れをしなければなりません。

「ベッドの回転率を上げる」というと、なんだか冷たいような、大事にされていないような印象を受けてしまうかもしれません。

例えば、飲食店や美容室なども同じです。
お客としては長くゆっくりと滞在したいと思うかもしれませんが、経営者の立場からすると同じ時間でたくさんのお客様に来店してもらったほうが売り上げが上がります。

医療保険加入の患者は長期滞在したい

もちろん、病院には長くいたくないものです。住み慣れた自宅に一日でも早く帰りたいと思います。
しかしながら、先ほど説明したように病院側の事情からすると、長期に入院されるよりも、短期の滞在(入院)の方が利益を生み出しやすくなっています。

一方、医療保険やがん保険に加入してる患者の立場ではどうでしょうか?
入院をすると入院日数に応じて、入院給付金が受け取れるのが現在の医療保険の主流です。入院日数が長くなるほどより多くのお金を受け取ることができます。
病院は早く退院して欲しい。医療保険加入者は長く入院した方が給付金が受け取れる金額が増える。
それぞれに得られるメリットが異なるギャップが存在しています。

短期で手厚く受け取れる医療保険

最近の医療保険の傾向としては長期入院に対応する医療保険よりも

短期間の入院であっても手厚く受け取れる(より多くのお金を受け取れる)医療保険が主流になってきています。

例えば、1日以上入院(日帰り入院)をすれば入院日数に応じた入院給付金が1日分だけ受け取れるのではなく、一時金(5万〜10万円など)が受け取れるタイプの医療保険があります。

それだけ短期入院の傾向が高まっているということなのかもしれません。

ご自身が加入されている医療保険は短期入院の場合、どれくらいのお金を受け取れるのか?見直してみてはどうでしょうか?

まとめ

経過年数と入院平均日数のグラフをみれば入院が短期化していることが分かります。
短期化している入院に対応するための保険は各保険会社から発売されていますので、最近の医療保険であれば、短期入院に対する心配は必要ないかもしれません

しかし、入院が短期化しているといっても実はまだまだ長期化する病気が根絶されたわけではありません。
「保険」という観点から考えた時に、入院が長期化したり、病気の治療が長引いた時にどのようなリスクヘッジをすることができるのかも、考えておくことが重要です。

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