生命保険の営業の世界に在籍してい他ことがある方なら一度は聞いたことがあるかもしれません。
生命保険の仕事に拘ったことがない方は、知らない方も多いでしょう。
GNP
これは、生命保険営業の中でも「生保レディ」と呼ばれる日本国内の生命保険会社(漢字生保)の営業職員の女性たちが使っている営業手法として使われてきた表現です。
GNPとはどんな営業?
営業の際に使われる手法の
日本語の頭文字を取って作られた造語です。
- 「G」義理
- 「N」人情
- 「P」プレゼント
この3つで顧客に営業を続ければ「契約」をもらえる。という考え方です。
2020年の現時点で、GNPを知らない人がこの言葉だけを聞くと
「そんなことってあるの?」と不思議に思われるかもしれません。
例えば
- 今どき、「義理」で保険に入る人とかいるの?
- 「人情」を振りかざされても迷惑なんだけど
- いらない「プレゼント」もらっても困る
というように、一つ一つの存在そのものが通用しなくなってきています。
さらに追い討ちをかけるように新型コロナウィルスの感染拡大を防止する観点からも使えなくなってきています。
人と会えない保険営業
今までの保険営業の常識は
人と会うこと
でした。
より多くの人と会い、保険の話をすることによって
保険の案件、希望を引き出し、保険契約をもらう。
さらに人と会うことによって、より深いニーズまでたどり着くことができるので保険契約の件数や単価も上がる。
より多くの契約をもらうことができる。というメリットもありました。
私が以前に代理店として販売していた保険会社でも
「いかに多くの人と会うか」ということを推奨されていました。
コロナによって人と会えなくなった
保険営業だけに限ったことでありませんが
今まで「人と会うこと」を営業・販売のメインとしてきた販売スタイルは2020年3月以降から大きく変わりました。
ご存知のように「人と会えなくなった」のです。
職場や家庭に訪問をして、人と会う営業。
また、人通りが多い、利用者が多いショッピングモール、商店街等に店舗を構えて保険相談に来る人を待つ。
そういった営業スタイルが完全に崩壊してしまった時期です。
2020年7月の現時点では随分と緩和されてきましたが「コロナの第2波」というメッセージが発せられ、危機感が募っています。
そんな中では、以前のような「人と会う」ことを中心とした営業スタイルは使えなくなってきました。
GNPが成立しない
人と会えなくなる。
見込み客となる人と会えなくなる。
となってくると、
今回のテーマである「GNP」が成立しなくなります。
営業担当者の人に会い、話を聞き、提案書をもらうことで
- 熱心に話をしてくれたから
- 何回も訪問してくれるから
- 何度も提案書を渡してくれるから
- 親戚、友人の紹介だから
- プレゼントをもらったから
今までは
こういった理由があることで、保険を契約する人が自分に対して背中を押してくれる。という役割もありました。
自分だけでは決められないことを
理由づけをすることによって、契約をするということもあったでしょう。
しかし、人と会えないという状況では「GNP」は成立しません。
できるかもしれませんが、非常に効率が悪く、難しくなります。
オンラインでのコミュニケーション
リアルに人と会って、商談ができないということになると移行先としてはオンラインでのコミュケーションです。
今までのような「電話・郵送」による連絡手段に加えて、ネット使った商談が入ってくることでしょう。
実際、大手の生命保険会社でもネットやスマホを使ったセールスツールの導入が進んでいます。
関連するニュースをご紹介すると
保険会社にもよりますが
そもそも、営業担当者と顧客が「直接、会わないと契約ができない」というルールになっている保険会社も多くあったのです。
そのため「人と会えない」という状況になってしまうと、新規の契約は成立しない「契約ができない」ということになってしまいます。
保険商品そのものの価値で判断
良いか悪いか?
ということは別問題として、
今までは人と会うこと、また営業担当者によっては「GNP」を実行することによって
「あの人が言ってくれるなら入るか。そんなに熱心なら。」というように
営業担当者の人となりを見て判断することができました。
言い換えると「保険商品そのものの価値で判断」するのではなく、営業担当者が自分自身に取って与えてくれる価値で判断していたのです。
ところが今回の変化によって「人と会えない」という状況になってくると
保険商品そのものが提示している価値で判断しなければなりません。
ネット生保はGNP関係なし
ネットで契約を完了させる「ネット生保」の場合は、コールセンターでの問合せなどでは人との関わりが発生しますが、基本的には「自分で判断する」保険ということになります。
自分自身がネット上に開示されている情報を見た上で、必要な保険かどうかを判断して契約をします。
営業担当者に対してよくある質問はありません。
- どれが良いと思います?
- 他の人はどうしていますか?
- あなた(営業担当者)ならどれを選びます?
- 本当に大丈夫でしょうか?
このようなある種、他人に判断を委ねるような選び方ができません。
自己判断が重要となる
今後、コロナの影響がどのように出てくるかはわかりませんが、確実に言えることは
今までのような「人と会って、相談をして、契約をする」という流れが成立しなくなってくるということです。
人と会うこと、専門家に勧めてもらうこと、背中を押してもらうこと
自分では判断できないことを他人にサポートしてもらえるメリットはありました。
しかしこれからは、誰かのサポートではなく
自分自身でしっかりと判断をして保険を選ぶ。ということが求められる時代へと変化することになりそうです。