近年、医療保険の加入率は増え続けています。
2017年10月24日に公開された厚生労働省の調査「平成27年社会保障における公的・私的サービスに関する意識調査結果について」という報告書では医療保険や介護保険の加入率は7割を超えています。
しかし、同時に3割の人は医療保険には入っていないことになります。
医療保険に入る理由、入らない理由をご紹介します。
医療保険の加入率は70%を超えている
厚生労働省が発表した調査結果「平成27年社会保障における公的・私的サービスに関する意識調査結果について」(厚生労働省)によると、民間の医療保険や介護保険への加入状況として、72.1%の人が保険に加入している。ということが報告されています。
年齢別では、30 歳代~ 60 歳代では 70%を超え、特に 40~50 歳代では 80%を超えて保険に加入しています。
過去に行われた同じ調査結果と比較すると、加入者数は前回の調査から 10.8%、平成 10 年の調査からでは 14.2%増加していることが分かります。
また、医療保険や介護保険に加入していない人はに減少傾向にあります。平成 10 年から比べると 13.4%減少していることが分かります。
医療保険の加入理由
医療保険への加入理由TOP3は
- 公的医療保険や公的介護保険の自己負担分を補うため(56.3%)
- 治りにくい病気にかかり治療が長期化することに備えて( 46.9%)
- 公的医療保険で賄えない高度の医療や投薬を受けるかもしれないから(32.6%)
となっています。
多くの人が、治療にかかる費用の自己負担額が多くなることに備えて医療保険に加入されていることが分かります。
また、男性で3番目に多かった理由として「入院や介護が必要になることなどに伴って仕事ができなくなるかもしれないから」で 33.9%の男性が加入理由としてあげています。
病気やケガに対する治療費の補填だけではなく、仕事ができなくなり、収入が減少することへの備えとしても加入理由としては大きいようです。
医療保険に加入しない理由
続いて、医療保険に加入していない人の理由をご紹介します。
- 保険料を払えないから(51.2%)
- 公的医療保険や公的介護保険に満足(信用)しているから(28.3%)
- その他(14.3%)
- 民間の医療保険や介護保険の商品を知らないから(11.3%)
- 貯蓄や自費で足りると思っているから(10.8%)
- 病気にはかからないので、自分には必要ないと思っているから(5.7%)
となっています。
医療保険の保険料を負担に感じられたり、加入している公的な医療保険や介護保険だけで十分だと考えておられる方が多いようです。
高所得者ほど公的保険に満足
所得別から医療保険に加入をしていない理由をみてみると、
所得が600 万円未満では「保険料を払えないから」が最も多く 30%以上となっています。次いで「公的医療保険や公的介護保険に満足(信用)しているから」が多くなっています。
年収が600 万円以上の所得の人の回答
「公的医療保険や公的介護保険に満足(信用)しているから」が最も多く、600 万円~800 万円未満では約3割、800 万円以上では4割を上回っています。
この調査結果からは高所得者であるほど、公的保険の満足度を理由に民間の保険には入っていないという結果がでています。
医療保険に入らない理由
厚生労働省の調査結果からわかる、医療保険に入らない理由は大きく2つあるようです。
- 保険料が払えないから
- 公的保障に満足しているから
保険料が払えないというのは、収入面での個々人の事情ですので仕方がありませんが、もう一つの理由である
「公的保障に満足しているから」
というのは、医療保険選びの上でもポイントになります。
公的な医療保障である「健康保険」の機能と特長をしっかりと知っておくことで、もしかすると医療保険の必要性について考えが変わるかもしれません。
健康保険とのバランスを考える
医療保険を考える、見直す際に重要なのは「健康保険とのバランス」です。
民間の保険会社が発売している医療保険の役割は「公的な健康保険の補填」です。
つまい、健康保険の足りない部分を医療保険で補う。というのが保険会社が考えている医療保険の役割です。
まずは医療保険のメインの役割である「公的な健康保険の補填」が本当に必要なのかどうか?を考える必要があります。