医療保険には「保険料」という名目のお金を払うことによって、保障内容に応じた保障を「お金(給付金・保険金)」として受け取ることができます。
医療保険から保障を受け取る対価として保険料を支払いますが、保険料の『高い安い』はどのような基準で考えれば良いのか?
医療保険の保険料について分かりやすく解説していきます。
保険料の違いは?
現在たくさんの保険会社から様々な種類の医療保険が発売されています。
医療保険のパンフレットや見積書を並べてみると、保険会社によって保険料が一律ということはありません。
比較検討してみれば、保険会社によって保険料は大きく異なっていることがわかると思います。
医療保険の保険料の違いはどのような視点で考えれば良いのでしょうか。
①保険会社による保険料の違い
医療保険の保険料は保険会社によって異なります。
それは保険会社同士がお客様を獲得するために価格競争をしているということが要因の一つです。
同じ保障内容で保険料が少しでも安い方がお客様が契約してくれるのではないか?とは誰もが考えることです。
実際にパンフレット等で比較してみると分かりますが、まったく同じ保障内容で保険期間などの条件も同じ医療保険で比較すると保険会社によって保険料が異なることが分かります。
②年齢による保険料の違い
医療保険の場合、基本的には年齢が高いほど保険料は上がります。
一部の年齢層(若年層)と一部の特約(女性関連の特約)では、年齢が低い方が保険料が高くなっている場合もありますが、例外として考えていいでしょう。
同じ内容の保険に親子で加入していたとすると、当然のことながら親と子では年齢差がありますので保険料は大きく異なります。
年齢差にもよりますが、親の医療保険の保険料は子供の2~3倍となっています。
③保険料払込期間による違い
保険料の払い込み期間が短いほど、一度に支払う保険料は高くなっています。
同じ保障内容であったとしても、毎月の保険料を一生涯かけて支払う「終身払い」と、契約時に一括で保険料の支払いを終了する「一時払い」では、保険料の支払金額は全く異なります。
また、保険料の払い込み期間が短い「短期払い」は定年を迎える前までの60歳・65歳・70歳等の一定の年齢で保険料の支払いが終了し、その後は保障を継続しながら保険料の支払は無い。というタイプも保険料は終身払いに比較すると高くなります。
毎回支払う保険料は大きく異なりますが、総額で支払う保険料については差が出てくることがあります。
一生涯保障の医療保険の場合は「長生きするほど」に短期間で支払った医療保険の方が保険料は安くなっています。
④保障内容が増えるほどに保険料は高い
車の購入をイメージされると分かりやすいかもしれません。
新車の購入時に様々なオプションを付けることで車両本体価格に上乗せでどんどんと金額は上がっていきます。
同じように医療保険でも様々なオプション(特約)を付加することで保険料は上がります。また基本的な保障額を増額することで、保険料は高くなります。
例えば、5,000円の入院保障と10,000円の入院保障では、保険料は2倍となります。
また、通院保障の有り無し、就業保障、介護保障等の特約を付加するかどうかで保険料は大きく変わってきます。
ご自身にとって保険料が高いのか?安いのか?
医療保険の保険料が「高いのか?安いのか?」を単純に評価することはできません。一人一人の環境、収入、家族構成、リスクによって保険に対する価値観が異なるからです。
同じ年齢のママ友同士で保険ショップに相談に行き、同じ医療保険に入ったとします。
しかし、加入すべき保険、支払う保険料の額が同じとは限りません。
子供の年齢が同じという共通点以外は、全く異なる環境の2人だからです。
世帯全体の収入、世帯の貯蓄などの資産、世帯の支出、将来的な支出とライフプラン、子供の教育に対する考え方など、同じということは無いでしょう。
それぞれの考え方や状況に合わせて医療保険のプラン、そして保険料を考える必要があります。
そういった意味では、保険を考えるというのは非常に「プライベートなこと」でもあります。
他の人と比較して、医療保険の保険料が「高いのか?安いのか?」ということではなく、ご自身と関わる家族にとって必要な保障であるのか?そしてその対価として支払う保険料が妥当であるのか?を見極める必要があります。
保険料が安い医療保険は?
医療保険の保険料が安くなる要因には様々なものがあります。
- 保険期間が短い(保障される期間が短い)
- 年齢が若い
- 入院限度日数が短い
- ネット生保など販売先が限定されている
- 保障内容が少ない(シンプル)
保険料が安いのは入院限度日数が短いタイプ
医療保険の保険料をとにかく安く抑えたいということであれば、入院限度日数が短い方が保険料は安くなります。
重要なのは、「ご自身が加入している医療保険の入院限度日数を知っておく」ということです。
人はいつ、どんな病気やケガになるかは分かりません。
そしてその病気やケガの治療がすぐに終わるのか、長引くのかも分かりません。
分からない事象に対して、不安を解消してくれるのが保険です。
保障内容をより手厚くするれば、不安もより解消されるかもしれませんが、その分だけ保険料は高くなり、もしかすると日々の生活に影響を及ぼすかもしれません。
もし、より短い入院限度日数の医療保険に加入されるのであれば、保険料が安い分だけ保障される入院限度日数が少ないということを知っておくことで、実際に入院をした時の不安感が違います。
加入内容を知っておくこと
医療保険を見直す、医療保険を選ぶ。という時には保障内容の充実、保険料の設定等、様々な要因を検討する必要があります。
医療保険の見直しをされている時には、たくさんの情報を持っておられるかもしれませんが、加入後しばらくすると「どんな保険に入っているかよく分からない」という方も多くいらっしゃいます。 医療保険の加入で重要なのは「加入内容を把握しておくこと」です。
ご自身がどんな医療保険に入っているのか?どのような保障を持っているのか?を把握していれば、実際に病気やケガで入院や手術をするとなった際にも、経済的な不安からはある程度解放され、病気やケガを治療することにより専念できるようになります。
医療保険選びに決まった答えはありませんが、加入した内容を分かりやすく把握しておく。家族にも分かりやすい状態にしておく。ということが大切です。