生命保険は難しい、よくわからない、専門用語が多すぎて理解できない。
というように、生命保険そのものに対して「よくわからない」というイメージや思いがある方も多いかもしれません。
今回は生命保険を考えるにあたって理解しておきたい生命保険の基本用語を解説していきます。
保険料と保険金は真逆のもの
今回の記事のテーマは【保険料と保険金】です。
結論から言ってしまうと真逆に存在するものです。
保険に加入する人の立場からみると
- 保険料は支払うお金
- 保険金は受け取るお金
ということです。
保険料とは?
保険料は保険会社に対して支払うお金です。
加入する保険から保障を得るための「対価」としてお金を払うのが保険料です。
例えば、サブスクのサービスで毎月定額の料金を払うことで「映画やドラマが見放題」という動画配信サービスでは「加入料」としてお金を払います。
お金の支払いを止めれば、その後は動画配信サービスの動画は見ることができなくなります。
お金を払うことで指定されている動画を見る権利が得られます。
生命保険の場合は
保険料を払うことによって、支払っている対象の期間は「保険から保障を受ける」ことができるようになります。
毎月保険料を支払う「月払」というタイプの払い方であれば、保険料が毎月口座振替やクレジットカード払いで支払われますが、支払いがストップすると保険から保障が受けられなくなります。
*支払いが止まっても保険会社によって猶予期間が設けられています。
「年払」という払い方のタイプであれば、支払ってから1年間保障を受けることができます。
例えば、1月に1年分の保険料を支払うことでその年の12月まで保障されます。
生命保険の場合は他に「一括払い」という払い方もあります。
保険料の支払い期間は決まっている保険であれば、対象の支払い期間の保険料を一括で支払うことができます。
例えば30歳で加入して、60歳まで保障される保険であれば、30年間の保険料を一括で支払うという払い方です。

保険金とは?
保険金は保険会社から受け取るお金です。
加入する保険の保障の対象となる「被保険者」が死亡・高度障害状態のとき、または満期まで生存したときなどに保険会社から受取人に支払われるお金のことです。
保険会社から受け取れる保険金の金額は加入している保険によって決まっています。
例えば、
Aさんは死亡保険金100万円の定期保険に加入。
Bさんは死亡保険金1億円の定期保険に加入。
保険加入中の上記のお二人が同じタイミングで死亡した場合。
Aさんの保険の「受取人」は100万円を保険会社から受け取ります。
Bさんの保険の「受取人」は1億円を保険会社から受け取ります。
保険金額によって保険料が変わる
先程の事例のように保険金額が変わると保険料も変わります。
死亡保険金100万円の定期保険に加入しているAさんよりも
死亡保険金1億円の定期保険に加入しているBさんの方が保険料は高くなっています。
生命保険の保険料は「保険金額が高いほど保険料は高くなる」という仕組みになっています。
保険を検討されたことがある方はお分かりだと思いますが、生命保険の加入時や保険プラン、保険の設計をする時には「保険金額」を決めることができます。
その際、保険金額を上げるほどに保険料が高くなっていくのがわかります。
保障期間によっても保険料が変わる
保険料が変わるもう一つの要因として紹介しておきたいのが「保険期間」です。
Aさん(30歳)が生命保険を選ぶときに「保険金額500万円」と設定。
- 保険期間10年間の定期保険
- 保険期間65歳満期の定期保険
- 保険期間90歳満期の定期保険
上記の3つであれば、保険金額は同じであっても保障される期間が長いほどに保険料は高くなります。
保険会社によって保険料は変わる
下記の条件が全て同じだとした場合
- 年齢・性別
- 保険料
- 保険金額
- 保障内容
- 保険期間
保険会社によって保険料が変わります。
日本には多くの生命保険会社がありますが、保険会社によって保険料は違います。
これは同じ商品、サービスを提供している他の業種でも同じではないでしょうか?
例えば、「大阪→東京」を移動するために使う飛行機。
移動する距離、移動する方法はどの航空会社を使っても同じですが
航空券の価格は航空会社によって違います。
生命保険の商品も同じように、同じ内容の保険だったとしても保険会社によって保険料が変わります。
保険会社による保険料の違い
例えば、
Aさん・男性・30歳・定期保険・10年満期・保険金額500万円
この場合の保険会社による保険料の違いを調べてみましょう。
もし手元に各社のパンフレットや保険料表があるのであれば、生命保険会社によって保険料が違うことが分かります。
保険料は違っていますが、
支払われる保険金額は同じです。
例えば、Aさんが
●●●生命保険で500万円の定期保険に「月額2,000円」の保険料で加入
▲▲▲生命保険で500万円の定期保険に「月額1,000円」の保険料で加入
2つの保険に同時加入していたとします。
Aさんが保険期間中に死亡した場合、
2つの保険の保険料は違いますが受け取れる保険金はそれぞれ500万円です。
保険料が違うから受け取れる保険金額が違うということはありません。

ネット保険の保険料
最近、注目度が高いのが「ネット保険」と言われる、インターネットを通じて保険の各種手続きが完結する保険会社です。
営業担当者などの「人」を介して保険に加入する従来型の生命保険会社に比べると先ほどのように同じ保障内容であっても「保険料が安い」という特徴があります。
ネット保険は保険料が安い!というイメージがあるかもしれませんが、
実は
ネット保険が取り扱っている全ての保険について一般の生命保険会社の保険よりも保険料が安いということはありません。
安い保険もあれば、高い保険もあります。
ネット保険は保険料が安い傾向がありますが「すべてではない」ということを知っておくと良いでしょう。
保険料と保険金の違いを知っておく
生命保険を検討する際に今回の記事でご紹介した「保険料と保険金の違い」は絶対に知っておきたいキーワードの一つです。
2つの違いが理解できていないと、
実際にパンフレットを見たり、保険の商品説明を受ける際に「よく分からない」状態になってしまいます。
保険料と保険金の違いはとてもシンプルです。
- 保険料は支払うお金
- 保険金は受け取るお金
理解しておくことで、生命保険の理解、保険見直しの考え方がスッキリと整理されてくることでしょう。