医療保険を祖父母から孫にプレゼントするプランが注目を浴びています。
医療保険をプレゼント?とはどういった意味なのでしょうか。
医療保険のプレゼントプランは相続税対策にもなるようなのですが、本当なのでしょうか?
一生涯残るプレゼント
ジジババから孫へのプレゼント。
お金やモノを孫にプレゼントする、贈与するとなると、
お金の場合は、あればある分だけいつかは無くなってしまいます。
モノであればいつかは使わなくなってしまう可能性が高いです。
そこで、一生涯保障の医療保険を孫にプレゼントすることによって、祖父母が亡くなった後もずっと役立てるプレゼントとして注目を集めています。
被保険者(保障の対象となる人)を孫にして、祖父母が保険料を払うことで医療保険を孫にプレゼントすることができるプランです。
保険料は短期払い
保険会社によって医療保険の支払方法は様々に設定されていますが、今回のように祖父母から孫への医療保険のプレゼントでは、短期で支払いが終わってしまうプランを選択します。
医療保険は一般的には、一生涯払い続けるタイプが多いですが、他にも60歳、65歳までで支払いが終わるタイプといった払い方があります。
しかし、孫がその年齢(例えば65歳)になる頃を考えると
その頃には祖父母は既に亡くなっているという可能性が考えられます。
そうなると祖父母の死亡によって孫のために保険料を払い続けることができなくなってしまいます。
医療保険には保障が一生涯続く終身タイプの医療保険でありながら、
保険料の支払いは1回で終わるものや、
2年・5年・10年というように短期間で終了するタイプのものがあります。
また、数年分を契約時にすべて支払ってしまう「全期前納」という支払い方法もあり、契約時から短期間で保険料の支払いを終了させることで、孫に医療保障をプレゼントするという方法が最適です。
資産の圧縮、相続税対策保険
医療保険のプレゼントプランは相続税対策の一つとしても注目されています。
保険料を一括で支払う場合は、保険料は最低でも100万円程度必要となります。
資産のある方にとっては少しのことかもしれませんが、孫に医療保険をプレゼントすることで保険料分の資産圧縮効果が見込まれ、結果的に相続税の課税対象額が減り、相続税の負担が減るという考え方です。
相続税対策として、孫などに現金を贈与するという方法もありますが、お金を贈与すると受け取った側はどのようにお金を使うかは分からないという難点があります。
もしかすると思ってもいなかったお金の使われ方、散財・無駄遣いをされてしまうかもしれません。
医療保険をプレゼントするのであれば、祖父母が保険料を支払ってしまうことでお金の使い道を限定してしまいます。
現金の贈与は、お金を受け取った時点では「感謝」の気持ちが強いですが、その気持ちが長続きしない可能性が高いです。
医療保険であれば、その後の人生において「入院や手術」といった状況において役立つことで、医療保険をプレゼントしてくれた祖父母への感謝が生まれるかもしれません。
家族で相談が重要
孫のための医療保険に祖父母だけの独断で加入するのはおススメできません。
孫が未成年者であれば親権者の同意が必要となりますので、その際にしっかりと加入の目的と必要性について家族で話し合いをしておかれるのが良いでしょう。
孫のためにと思って、子供たちには内緒のまま、勝手に孫の医療保険に加入。加入後に孫が入院等をして、医療保険を役立てようと思ったときに「嫁との関係が気まずくなってしまった」ということも起こりえます。
孫へ医療保険をプレゼントするプランを契約する場合は事前に家族でしっかりと話し合いをして了承を得てから加入されるのがおススメです。
保険期間が長いプラン
孫の終身タイプの医療保険のプレゼントとなると、保険期間が非常に長い保険商品を購入することとなります。
リスクとして考えられるのは、加入する医療保険は「保障内容」が変わらない。ということです。
「医療保険は変わらない」ということがどういったリスクを持っているのかを解説していきます。
インフレリスク
1つ目は、長い人生の先でお金の価値が変わっていかないかということです。
医療保険から受け取れる給付金の金額は
加入時点→加入から50年後→100年後であっても金額が変わることはありません。
例えば、入院給付金5,000円で加入した場合。
その金額の価値が孫が70歳、80歳になっても役に立つかは現時点では誰にも分かりません。
保険会社破綻のリスク
2つ目は保険会社の存続です。
保険期間が保険の場合、加入している期間中に保険会社が破綻する等のリスクがあります。
もし、加入している期間中に既に支払いが終わっている医療保険の引受保険会社が破綻したら?
どうなるのかは、その時の保険会社の財政状況や破綻した保険会社を引き受ける保険会社によって異なりますので、現時点では誰にも分かりません。
社会の変化と保障内容
3つ目は保障内容と社会情勢の変化です。
加入時点では最新の医療保険であっても、病気のリスクが高まる70歳代以降に現代と同じ医療制度、医療技術が継続されているとは限りません。
お孫さんが小さな今の時点では役立つ医療保険であったとしも、お孫さんが成人し、そして老齢になる頃に役に立つ医療保険であるのか?は誰にも分かりません。
一生涯保障のプレゼント
祖父母から孫への医療保険のプレゼントは、一生涯付き合うことができる、一生涯役に立つプレゼントです。
祖父母が亡くなった後も、保険はお孫さんと一緒に継続されることでしょう。
お孫さんは祖父母からのプレゼントで一生涯の安心をずっと保持することが可能になります。
孫のために医療保険に入ることは相続税対策の一つとしても有効です。
但し、保険料としては100万円~と高い買い物であることは間違いありませんので、事前にご家族の方、特にお孫さんの親権者としっかりと話を重要です。
一方的なプレゼントはトラブルを起こしやすくもなります。
家族みんなが納得する形で、プレゼントをすることができれば、とても有効な保険になるのではないでしょうか?