生命保険に加入することで税制上のメリットを受けることができるのが「生命保険料控除」という制度です。
給与等の収入があって、所得税を支払っている人にとっては「所得税の控除」を受けることができるのではそういった点ではお得です。
生命保険に入っていないよりも、生命保険や医療保険に加入していることによって得られるメリットがあります
保険に加入する目的を履き違えない
当たり前のことだと思われるかもしれませんが、生命保険の加入で最も重要なのは、生命保険料控除を受けることができるかどうかではありません。
加入を検討している保険があなたに合った保険かどうか?
実際に加入している保険があなたに合っているのかどうか?
ということが非常に重要となります。
生命保険料控除を利用していないので、利用した方がお得になる。という要素が重要なのではなく、あなたにとってそもそも生命保険が提供している各種保障が必要なのかどうかを判断することが、保険選びにおいてはなによりも重要となるのです。
何を優先するのか?
生命保険料控除は生命保険や医療保険、がん保険、個人年金保険に加入することによって得られる税制上のメリットのひとつです。
ある意味では「おまけ」として控除も受けることができるぐらいの心持が良いのではないでしょうか?
生命保険料控除を受けるために保険に加入するということになると、保険の本来の目的が果たせなくなってしまう可能性があります。
例えばこんな方の事例。
独身の方にとっては、必要となるのはご自身が亡くなった時の死亡保障よりも生きている間に病気やケガで入院や手術、通院が長引いた時に役立つ医療保険やがん保険、終業不能時の給与をサポートするような保険です。
このようなニーズが大きい独身の方が、生命保険料控除をバランスよく使おうと必要としていない死亡保障に入るよりは、医療保険やがん保険の保障を充実させて、死亡保険には加入せずにその分の保険料を節約することの方がメリットが大きいかもしれません。
控除を使わないと損ではない
そもそも、生命保険料控除を使わないと損ということはありません。
何よりも「無理に保険に入ること」の方が損を生む可能性があります。
保険は何も起こらなければ、保険を使うこともなく、お金を受け取ることもありません。
病気やケガの入院・手術を保障する医療保険。当然ながら、加入してから健康を維持することができ、大きな事故等に遭わなければ保険を利用することは一切無いかもしれません。
保険に対するニーズは人それぞれです。
決まった答えが無いのが保険でもあります。
ご自身が本当に必要とする保険に加入することでリスクに備え、そのおまけに所得税の控除を生命保険料控除を利用して上手に活用できるのがベストなのではないでしょうか。
保険は損得ではない
保険という商品に関して言えば、損得だけで判断することができない商品です。
がん保険で言えば、加入後に「がん」罹患し治療をすることによって給付金としてお金を受け取ることができます。
がん保険に加入して「がんになったから得か?」と言えば、決してそうではありません。
がんになった時に経済的なサポートになる。ということは事実ですが、がん保険からお金が入ってくることと「がんの治療」をすることを天秤にかけて測ることはできません。
ご自身が本当に必要とする保障を考える。
その結果として生命保険料控除を使うことができ、所得税の控除が使えて得をした。というくらいの考え方がいいのではないでしょうか。