様々な種類の生命保険や医療保険、がん保険にたくさん加入すること。
生命保険の保険料をとにかくたくさん払うこと。
それによって、支払った分の保険料分だけ生命保険料控除を受けられるのか?
というと、決してそいういうわけではありません。
生命保険料控除を受けることができる最高限度額は総額が決まっていて、さらに保険種類によっても上限が決まっています。
1年間に支払った保険料に対して、無制限で生命保険料控除が受けられるという制度ではありませんので注意が必要です。
例えば、保険の種類は関係なく生命保険料控除の総額という点では、年間100万円の保険料を支払っていても、年間12万円の保険料を支払っていても受けられる控除額は同じになっています。
生命保険料控除の対象となる保険種類
生命保険料控除の限度額は加入している生命保険の種類によって決められています。
基本的には以下の3つの保険種類に分けられています。
①死亡保障
②生きている間の保障(がん・医療・介護)
③老後の保障(個人年金)
これら3つの保障にバランスよく加入することによって、より多くの生命保険料控除を受けることができるような仕組みになっているのが特長です。
例えばこんな加入事例。
独身なので死亡したときの保障は必要が無い。自分自身が入院をして治療が長引いた時が心配なので、死亡保障の保険は加入せずに医療保険やがん保険はたくさん加入した。
という場合は、受けることができるのは「②生きている間の保障」が対象となる介護医療保険料控除のみです。
また、別の加入事例です。
ある程度は金融資産がある。実際に入院や手術をしても経済的に困ることは考えられない。
保障系の商品(死亡保障や医療保障)はいらないけれど、老後の資産形成や相続税対策のために保険を使って貯蓄をしておきたい。今は個人年金保険だけに加入。
この場合は「③老後の保障」ということになりますので、個人年金保険料控除のみが使えるということになります。
最大限利用するにはバランスよく加入する
死亡保障、生きている間の介護・医療保障、そして老後のための保障にバランスよく加入することによって、生命保険料控除が最大限に使えるようになっているのが生命保険料控除の特長の一つです。

考えようによっては、3つの保障に対してバランスよく加入することを推奨しているようにも捉えられます。
しかし実際には、先ほどご紹介した2つの事例からも分かるように保険に対するニーズは人のライフスタイルやライフプランによって大きく異なります。3つの保障をバランスよく加入することがベストな人もいれば、そうではない人もいます。
生命保険料控除ありきではない
保険に加入する際に大切にしておきたいのは「控除ありきではない」という考え方です。
生命保険料控除はあくまでもおまけ的な存在です。
生命保険に加入する際に、まず大切にしたいのは「保険に何を求めているのか?」ということです。
保険に対して、
- ご自身が亡くなった後も遺族が生活に困らないような保障を求めているのか?
- 入院や通院が長引くことが心配なのか?
- 病気で働けなくなり、収入が減ることが心配なのか?
- 資産の運用先の一つとして考えているのか?
- 老後のために資産を形成したいのか?
- 相続税対策として保険が必要なのか?
というように様々な保険ニーズが存在しています。
ご自身にとって保険がどうして必要なのか?保険の加入目的を明確にしたうえで、適切な保険を選び、そしてその結果として利用できる控除が存在した。という考え方がおススメです。