医療保険やがん保険は「一生涯保障」という終身タイプの保険が増えています。「いつまでも保障が続く一生涯保障」ですが、保険はいつまで続ける必要があるのでしょうか?
いつまでも保障が続く「一生涯保障」
医療保険やがん保険といった「生きている間」に保障が利用できる保険商品では「一生涯保障が続く『終身』タイプ」の保険が保険商品としてはメインの保険となりつつあります。
いつまでも保障が続く安心感、保険料が途中で上がらないというのも魅力の一つです。
一方の「定期タイプ」の医療保険やがん保険は保険期間の終了と共に保障が終了します。保障が途中で終わる分だけ、同じ保障であれば終身タイプに比べて保険料が安くなっているのが特長です。
保障が途中で終わってしまうという不安よりも、保障がずっと続くという安心感を求めている人の方が多いのかもしれません。
終身タイプの解約時期
終身タイプのがん保険や医療保険で難しいのは「いつ解約するのか?」という問題です。
保障が一生涯続くから、死ぬまで保険を継続する。というのも一つの選択肢ですが、高齢になるにつれて、貯蓄は徐々に減り、年金のみの収入となり、さらにその年金も減額され、経済的な不安がでてくる。という状況が想定されます。
そうなると日々の生活費の中で減額対象となってくるものの一つは「保険料」です。
解約は簡単ですが
医療保険やがん保険を「解約」するのは非常に簡単です。
保険会社や担当代理店等に連絡をして「解約手続き」のための書類を取寄せればすぐに解約手続きは終了し、保険料の支払いは止まります。
しかし、同時に保険を止めることで今まで継続されてきた保障も無くなってしまいます。
新規の加入は難しい
解約手続きは簡単ですが、「やはり保障が必要だ」と思われて新しく保険に入り直すのは難しい場合があります。
まず一つ目は「年齢」です。数年前に加入された保険であれば、新規に入り直す場合は確実に加入年齢が上がっています。加入時の年齢が上がっているということはそれだけ保険料が上がっている。ということになります。
2つ目は「健康上の問題」です。
ご自身の健康状態が保険会社が満たす条件で無ければ新しい保険に加入することができません。
また、加入できたとしても「条件付き」等、不利な条件での加入となることもあります。
誰でも入れる医療保険
最近ではテレビCMなどで「誰でも入れる保険。高齢になっても入れる保険」というフレーズで保険商品のテレビCMをよく見かけます。
注意したいのは「誰でも入れるが、その分保険料が高い」という可能性です。
既に保険に入られている方であれば、加入中の保険よりも保険料が安くなる可能性があるかもしれませんが、「その分、保障内容も下がる」という可能性があります。
もし、そうであれば新しい保険に加入するのではなく現在加入している保険の内容で「減額する」という手続きが可能かどうかを相談されるのがおススメです。
いつで終わりにするのか?
わたしは個人的に最近身近な人を亡くしましたが病院に入院等をすることなく、「高齢者施設」で亡くなられています。
施設の方に聞いたところ、その施設では施設で亡くなられる方が多いということでした。特に90歳を超えると多くの方が施設でお亡くなりになるそうです。
このように入院をしない、入院ができない状態では医療保険やがん保険はほとんど意味がない場合があります。
医療保険やがん保険は「一生涯保障が続く」という安心感と同時に、既に保険料の支払いが終わっている「払い済み」タイプでなければ、いつまでも保険料を払い続けるというリスクもあります。
ご自身や家族の判断で、年金などの収入、貯蓄残高等から、ある程度の時期での見切りも必要となってきます。