がん保険によっては「通院の保障がない」というがん保険もあります。
通院保障が無いがん保険について解説していきます。
がんの通院が保障されていないがん保険
「がんの通院治療にすごくお金がかかって。。」
がんの治療は多様化しています。
以前は「がんと診断されると、入院をして、手術をする」という流れが一般的でした。
そのため10年以上前までのがん保険は「がん治療のための入院」をメインとした保障内容のがん保険が多くを占めていました。
入院日数が多いほど、がん保険が役に立つ。という保障内容のがん保険です。
20年以上前からがん保険を継続しているという方の多くは、この「入院保障重視のがん保険」に加入されている方が多いのかもしれません。
ところが、近年は事情は大きく変わってきました。
がん治療の形態が変わりつつあるからです。
入院日数が短い、または入院をせずに、外来による通院治療を行うという方が増えています。
数日間入院をして検査、あとは外来による通院で治療を続けるという方が増えているのです。
しかし、先ほどご紹介したような以前のタイプのがん保険「入院保障がメイン」のがん保険では『入院』をしない限りはがん保険から給付金を受け取ることができない仕組みになっています。
そのため、がんと診断され、治療を開始しても給付金を受け取ることができなかった。ということになってしまうのです。
これは当然ながら、がん保険を長年続け「がんになっても、がん保険があるから大丈夫」と思っていた人にとっては、裏切られたような気持になってしまうかもしれません。
「通院治療」を保障するがん保険
がん保険は各保険会社の保険商品の種類によって保障内容は大きく異なっています。
がんと診断された時の一時金を大きく受け取ることができるタイプのがん保険。
入院や通院、抗がん剤治療、放射線治療など様々な治療形態に合わせて幅広く保障されるがん保険。
長引く『がん治療のための通院』をがん保険で保障してもらうには、当然ながら「通院保障」が付加されたがん保険に加入しておく必要があります。
例えば、「がんと診断されて、一度も入院することなく外来で放射線治療を続けている」という方が「入院保障をメイン」としたがん保険に加入していても、受け取れる給付金は非常に少なくなることでしょう。
逆に「がんと診断されてから、入院が長引いている」という方であれば、通院保障が手厚いがん保険からは、受け取れる給付金が少なくなります。
がんは部位、進行度、治療の方法、医療機関、年齢、地域等の患者さんと医療機関によって様々な選択肢があり、決まった方法が無いのが特長です。
以前のような「がん診断、入院、手術」という単純な図式ではなくなってしまっているからです。
がん治療の現状
このように、がんの治療は多様化しているのが現状です。
罹患するがんの部位や進行度、また受診する病院の先生の治療方針によっても治療内容は異なります。
都市部の人気がある病院では手術は順番待ちで、病室の空きも少なく、入院ができたとしてもすぐに退院させられる。ということはよく聞きます。
がん保険に加入する時点では「がんになっていない」ことが最低限の条件ですから、誰も将来「どんながんにかかり、どんな治療をするか」は分かりません。
将来的にはがんの治療は現在よりもますます多様化することでしょう。
確実に変化するがん治療にも対応できるがん保険の加入が今後は求められることになります。
がん保険の見直し
がん保険の見直しということであれば、現時点で重視したいのは「通院保障に対する対応の有無」です。
がん治療の通院保障に対して必要性を感じられているのであれば、がんの通院保障をしっかりと確保できるがん保険への見直しがおススメです。
但し、がん保険や医療保険の通院保障には請求の面倒さがどうしてもありますので注意が必要です。
通院の請求が面倒という方は、診断給付金等でまとまった金額のお金(給付金)を受け取れるタイプのがん保険もいいのではないでしょうか。
例えば、がんと診断されて300万円というようながん保険であれば、初回の診断時に受け取ったお金を計画的に通院に使うことが可能です。
但し、まとまったお金が入ってくると「すぐに使ってしまう」という方にはおススメできません。
がん保険に通院保障があるメリット
通院保障のメリットは「通院の実績に応じて継続的に入ってくる」ということですので、無計画に使ってしまうということが考えにくい保障でもあります。
どちらのタイプの保障が向いているかは人それぞれです。
特に普段からのお金に対する意識や考え方が大きな影響を与えるのではないでしょうか。
普段から数百万円単位のお金には慣れているという方であれば、がんと診断されて300万円や500万円といった大きなお金ががんの診断給付金として入ってきたとしても、上手に扱うことができるのではないでしょうか。
しかし、日常生活の中で100万円を超えるお金の単位をあまり扱うことが無い。という方にとっては、急に入ってきた診断給付金300万円をどのように使うことが計画的な使い方なのかがよく分からない。ということもあるかもしれません。
これからのがん保険
「通院保障」ということに限らず、多様化するがん治療に柔軟に対応できるがん保険がこれからは求められているのかもしれません。
特に、これからがん保険をお考えの方は、どのような治療にも対応できるようながん保険を選ぶことが理想です。
問題は、今後の日本の医療制度、がんの治療がどのようになるのかは誰にもわからないということです。
また、今まで加入していたがん保険を見直して新しい保障をしっかりと確保したいという方は、「がんの通院治療」に対してどのような保障を確保しておくのが良いのかを考えておくのがおススメです。