日本人の離婚率はおよそ「3組に1組」と言われています。この数字だけを見れば、多くの夫婦にとって離婚は他人事ではないことが分かります。
離婚をすると加入している保険はどうなるのか?を中心に解説していきます。
日本人の3組に1組は離婚
厚生労働省の「平成27年(2015年)人口動態統計(確定数)の概況」によると、婚姻件数63 万組に対して、離婚件数は22 万組となっています。この数字を見ると、日本人のおよそ3組に1組が離婚しているということがわかります。
3つの家庭があれば、その内の1家庭は離婚しているということになります。
皆さんのまわりでも、身近に離婚をした夫婦がいらっしゃるのではないでしょうか。
結婚時に離婚することは考えないでしょうが、2人の他人である夫婦が生活を共にすることで離婚という選択肢を考えなくてはいけない状況になることもあるでしょう。
そんな時に加入している保険はどうなるのか?を考えておく必要があります。
加入保険は個人の契約か夫婦・家族型か?
最近は、保険会社が「夫婦型・家族型」といった契約形態の保険商品を発売していないこともあり、契約自体が少なくなってきましたが、夫婦型、家族型の保険に加入されている方も多くいらっしゃいます。
夫婦型・家族型の保険は、離婚の際は特に注意が必要です。
夫婦2人がセットで加入することで成立するのが夫婦型保険です。離婚をすることで夫婦型保険は当然ながら成立しなくなってしまいます。
夫がメインの被保険者(保障の対象となる人)、妻が従たる被保険者という場合は、保険会社や保険商品の種類にもよりますが、離婚によって従たる被保険者(この場合は妻)の保障は外れてしまい、主たる被保険者のみの個人契約として保険を継続することができます。
当然ながら、保険から外れた妻は保障が無くなってしまいますので、離婚を機に新たに保険に入り直す必要があります。
保険の契約者は誰か?
保険契約に関するすべての権利は「契約者」にあります。
例えば、夫の口座から保険料を支払い「夫を契約者」として妻が保障の対象となる保険に加入している場合。
離婚をしても保険自体を継続することは可能ですが、契約者を妻に変更し、保険料の支払いも妻に変更する手続きが必要です。
手続き時には契約時点での契約者による名義変更手続きが必要ですので、夫婦間で連絡を取ることが難しい、連絡を取りたくない。といった場合には手続きに時間がかかる可能性もあります。
また、当然のことながら契約者である夫が契約の変更に同意しなければ、契約を移行することができません。
受取人の変更を忘れずに
離婚をきっかけとして保険の各種手続きで忘れがちなのが「受取人の変更」です。
受取人に指定されていれば、例え離婚をしたとしても保険金や給付金を受け取る権利は保持されています。
例えば、配偶者を受取人とする保険に加入している場合。
離婚をして再婚。新しい配偶者に受取人を変更することなく、保険の対象となる入院等があった場合。受取人は元の配偶者ということになります。
保険金や給付金の請求は元の配偶者からしてもらう必要がありますし、何よりもお金が元の配偶者に入る。ということになってしまいます。
元の配偶者と連絡を取ることができるのであれば、双方の相談ということができるかもしれませんが、配偶者と連絡が取るのが難しい場合等は手続きが非常に面倒になります。
離婚をされたら、加入されている保険の「受取人の変更」は忘れずに手続きをされることがおススメです。
離婚をきっかけとして保険を見直す
離婚によってライフスタイルは大きく変わります。
離婚に限らず、ライフスタイルの変化をきっかけにして保険の加入を見直しされる方は多くいらっしゃいます。
そして、離婚された後にどのような人生を選ばれるかによっても保険の見直し方は大きく異なります。
離婚後は再婚をせずにシングルになる場合
遺族のための死亡保険よりも生きている間に利用することができる医療保険やがん保険の見直しをされる方が多いのが特長です。
また、ご自身が亡くなったとしてもこどもの養育費を確保するために子供を受取人とした生命保険に加入するという方もいらっしゃいます。
離婚後に再婚の予定がある場合
新しいパートナーと一緒に保険のことを考えられるのが良いでしょう。特にお子様がいらっしゃる場合には、死亡保険金がある保険等の「受取人」をどなたにされるかは重要です。
離婚をきっかけにして、ご自身にとって本当に大切にしたいものや人がより明確になるかもしれません。
そんな時は、よりご本人や周りの人にとって適切な保険を選べるようになるかもしれません。