がん保険と医療保険を組み合わせて、がん保険と医療保険がセットになった保険商品に加入するという方も多くいらっしゃいます。
2つの保障の特長を把握して、バランスよく加入したいものです。
がん保険と医療保険の違い
がん保険は基本的に「がん(悪性新生物)」に対する保障のみに限定された保険です。当然のことながら「がん」にならなければがん保険が使われることはありません。
保障目的を一つの病気に絞ることによって安価な保険料と手厚い保障を確立しています。
医療保険は「がんを含めた病気・ケガの保障」を目的としていますので、医療保険の中では「がん」は特別な存在ではなく数ある病気の中の一つです。
がんに限らず様々な病気に対して保障されます。
保障の幅は広いけれども、がん保険に比べると保障内容が充実しているとは言えません。医療保険は広く浅く保障を確保するというイメージです。
がんと医療の保険にセットで加入する
そこで、それぞれの長所、短所を補うために「がん保険と医療保険のセット」で加入するという方法があります。
医療保険でも「がん」の治療は保障されますが、がん保険に加入することによって、がんの治療になった時にはより手厚い保障を得ることができるというわけです。
逆に、がん保険だけの加入では保障の範囲が「がん」という病気に限られてしまいます。医療保険を組み合わせることで幅広い保障を確保しておくことができるようになります。
2つの保険のバランス
がん保険と医療保険、2つの保険に加入するということは、当然のことですが保険料もその分だけ高くなってしまいます。
医療保険とがん保険を組み合わせる際には、それぞれの保険料と保障のバランスが重要になってきます。
加入の組み合わせとしては以下の組み合わせが考えられます。
同じ保険会社で加入
がん保険と医療保険に同じ保険会社で加入するという方法です。
A保険会社の医療保険とがん保険に加入。
1つの保険会社ですので加入の手続きが簡単です。加入後の手続きも一度ですることができます。
特に給付金請求時には、一つの保険会社への連絡で済みますので分かりやすいのが特長です。
2つ以上の保険会社で加入
複数の保険会社から保険商品を選択することにより、保険料や保障内容等がご自身にとってよりベストな保険の選択肢をすることが可能です。
A保険会社のがん保険。
B保険会社の医療保険。
加入手続きの際には、2社以上の保険に加入することになりますので、少なくとも2回は加入手続き(書類を書く等)をする必要があります。
また、契約後の各種変更手続きや給付金請求も保険会社ごとに行う必要があります。
請求手続き等をご本人に代わってご家族の方がされる場合などは請求漏れがないように注意が必要です。
本人は分かっていたつもりでも、家族が保険加入を知らなかった。ということも考えられます。
がん保険と医療保険で保障が重なる部分
がん保険と医療保険のセット商品や組み合わせで加入することにより、保障が重なるような部分が出てくる場合もあります。
良い意味でとらえるのであれば、保障が重なるということは「それだけ保障が手厚い」ということになります。
例えば、医療保険には入院給付金が付いているのが一般的ですが、がん保険にも多くの場合は入院給付金が付いています。もしもがんの治療で入院することになれば、医療保険からもがん保険からも入院給付金を受け取れる。ということになります。
ネガティブな意味でとらえるのであれば、保障が重なっていることにより、その分だけ保険料を2重に支払っている。ということになります。
先ほどの入院給付金の事例であれば、がんと医療の両方の入院給付金に対して保険料を払っています。その重なり、保障の手厚さがムダと思われるのであれば、例えば、がん保険は診断一時金が充実したがん保険を選ぶ。という方法やがん保険ではなく、三大疾病が手厚く保障される三大疾病保険(特定疾病保険)を選ぶという方法もあります。
ご自身にとって分かりやすい保険
何よりも重要なのは、ご自身が加入している保険の内容をしっかりと理解している。ということです。
がん保険と医療保険、そして三大疾病(特定疾病)保険等、保険の組み合わせは様々な選択肢が考えられます。どの保険の保障も魅力的で必要と思われるかもしれませんが、必要以上に保険に入る必要はありません。
そして何よりも重要なのは「ご自身にとって分かりやすい保険」に加入するということです。
実際、がんという病気になった時に保険が役に立つのは間違いがないことでしょうが、ご自身がどの保険からどの保障を使うことができ、どれくらいの給付金を保険会社から受け取ることができるのかが試算できる。
それくらいの理解があった方が良いのではないでしょうか?