医療保険の見直しをしたいと考える人が増えるのは60代~です。
保険の見直しは様々な年代、タイミング、ライフスタイルの変化によって起こりますが、今回は60代からの保険見直しで注意したいことをまとめました。
新商品が登場する医療保険
医療保険は様々な新商品が各保険会社から発売されています。
既に発売されている医療保険のリニューアル、新しいタイプの医療保険の新発売、保険料の改定等、医療保険の新商品に関するニュースは豊富です。
医療保険に加入する側としては、様々な医療保険が発売されていますので選択肢が増え、より自分に合った医療保険を選びやすくなる。というメリットもあります。
しかし反面では「どの医療保険を選べばいいのか分からない」というような声もよく聞かれます。
そこで、60代の方が医療保険を見直しをする際に注意しておきたいことをまとめました。

ご自身の健康状態を把握する
世の中には様々な医療保険が発売されていますが、どれだけ魅力的で、加入したい!と強く思える医療保険があったとしてもご自身の健康状態が保険会社の規定を満たしていなければ、加入することができません。
また「加入したい」という、加入希望の気持ちだけが優先されて、持病があるにも関わらず、申込書記入時の「告知書」に虚偽の内容(病気をしていることを書かない等)を記入すれば、医療保険に加入することはできますが、将来入院や手術をして保険を利用する際には『告知義務違反』として、保険が利用できないということもあります。
60代からの医療保険加入で最も重視したいのは、まずはご自身の健康状態の把握。そして、その状態が希望する医療保険の加入条件をクリアすることができるのかどうかです。
医療保険の見直しは特に注意
医療保険を見直すということには2つのパターンが考えられます。
- 保険未加入なので老後に備えて新たに入る
- 既に加入している医療保険を解約して、新しい医療保険に入る
特に注意が必要なのは2番目の「入り直し」の場合です。
医療保険は次々と新商品が発売されています。
「新しい商品も出てきているみたいだから、そろそろ保険見直しを考えてみよう」と、保険ショップ等に保険の見直し相談に訪れ、既に加入している医療保険を見せた所「とても旧い保険なので、役に立たない保険だから、見直した方が良い」という説明を受けるかもしれません。
「古いままではダメだ!新しい保険に入り直さないと!」と思われるかもしれません。
しかし、保険を見直して加入する際には先ほどの「ご自身の健康状態」ということを何よりもしっかりと確認するようにしましょう。
「新しい医療保険に加入して、以前の医療保険を解約。しかし、その後の入院で告知義務違反が判明して、保険契約が終了」ということになれば、加入している医療保険は無くなってしまうということになります。
そして、新たに医療保険に加入しようと思っても、直近の入院、病気の履歴により、健康状態によっては新しい医療保険には加入できないということも起こります。
旧い医療保険の方が良い場合も
新しい医療保険だから良い保険である。とは限りません。
新しい医療保険は様々な保障、幅広い保障、新しい医療制度、医療技術に対応。というように、最新の保障を備えた医療保険は非常に魅力的な商品に思えるかもしれません。
新しい医療保険と以前から加入している医療保険の最も大きな違いは
「加入時の契約年齢」です。
数年前に加入した医療保険であれば、その経過年数だけご自身の年齢が上がっています。
例えば、45歳で加入した医療保険。
60歳の退職を機に医療保険の見直しを考えたい。という場合、医療保険の加入年齢はその経過年数分だけ上がっています。
医療保険の場合、一般的には保険料が安いのは年齢が若い方です。
新しい保障が付き、保障の範囲が増える等、保障としては充実するかもしれませんが、医療保険の基本的な保険料は年齢の上昇と共に上がっているはずです。
60代からの医療保険の見直しでは、加入時の年齢での保険料と既に加入されている医療保険の保険料の差額が、価値として見合ったものであるかどうかを見極めておくことも重要です。
医療保険が本当に必要かどうか?
病気が増え始める60代。周りの同年代の方でも病気が増え始め、医療に対する不安を抱え始める年齢でもあります。
医療保険があれば「なんとなく安心。不安が解消される」と思われるかもしれませんが、ご自身にとって本当に必要な商品であるかどうかを保険見直しを機会に考えられるのもいいかもしれません。
現時点での公的な医療保険制度(健康保険)では高齢者の医療費の自己負担は低くなっていますので、医療費の自己負担額は多くはありません。
一方で、仕事を退職され年金生活に入ると収入が減少し、医療保険に支払うことができるお金も現役時代と比べると予算の枠が減ることでしょう。
ご自身の保険に対する考え方。そして、これからのライフスタイル、生き方を考えて医療保険選びをされていくことがおススメです。